宝塚市 U様邸 茶室リフォーム
TDYリモデルスマイル作品コンテスト2012 マンション特別賞
施工事例データ
築年数 | 21年 |
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建築種類 | マンション |
施工床面積 | 110.81平米 |
工事日数 | 40日間 |
施工箇所 | マンション全面リフォーム |
施工内容 | ・仮設・解体工事 ・間仕切り下地木工事 ・設備機器工事 ・内装仕上げ工事 ・サッシ工事 ・諸経費 |
工事金額 | 900万円 |
担当 | 田中・檜尾 |
お客様のご要望 | 子供たちが独立したので夫婦二人が快適に生活できるようにしたい 後々お茶の教室を開けるよう、正式な茶室をつくりたい。普段は和室として使いたい 玄関収納がほしい 衣料品などの収納場所を一箇所にまとめたい 趣味(手芸)の作業場所がほしい 老朽化した水廻り設備を取り替えたい とのご要望をいただきました。 |
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プラン決定のポイント工夫 | 正式な京間畳の四畳半を右上の柱にあわせて配置し、張りだした柱分のスペースは収納を設けることで、たくさんの茶道具や茶器を収納できる、普段の生活にも便利な収納スペースを実現しました。 |
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施工前
モダンなリビングと『和』の空間をつなぐ「小上り」を設置することで、茶室だけが浮き上がった空間とならないよう配慮しました。
施工中
施工後
京間畳の四畳半に炉を切った本格仕様の茶室を実現。網代柄や塗り壁風のクロスなどを自然の材の代用とし、現代の暮らしにとけ込む茶室を目指しました。もてなしの心を表現する床の間や趣きのある間接照明、茶事を楽しみ、茶道教室にも使用できる本格的な茶の湯空間が誕生しました。
張り出した柱分のスペースを活かし、茶道具や茶器がすっきり片付く奥行きの浅い収納を設置。内壁の下部に張られた白い「腰張(こしばり)」は、本来、土壁に衣服がこすれて汚れたり傷んだりすることを防ぐために、和紙が張られます。点前座・客座の位置の目印、そして壁面の意匠。席の雰囲気づくりに欠かせない腰張には、自然の材の代用としてクロスを利用しています。
普段は和室としても使用でき、日常生活と茶の湯空間が切り離されないよう、茶室のリビング側に大きな開口を設けました。間仕切り建具には障子を採用し、リビングに入る日差しを柔らかく茶室に導きます。和の風情がある組子は茶室側にのみ設けて、リビング側にはシルエットが浮かび上がるようにしました。
炉を切るために床上げした段差は、腰を掛けたり、ごろんと寝転がるにはちょうどよい高さに仕上がりました。
排水のことを考慮しながら水屋の配置場所を決め、茶室までの動線がスムーズになるようレイアウト 濃紺の腰張で壁面の意匠に変化をつけています。水屋は、水作業をする「水谷流し」と道具類を置く「水屋棚」、また流しの手前に設ける床下収納の「炭入れ」などで構成されます。
床をあげ、お稽古用として用いられる電熱炉を設置。リビングとの間に小上りを設置し、その下部は引き出し収納としました。
担当者より
小さいころから茶道をたしなまれ、茶の湯空間を望まれた奥様とのお話はとても楽しく、十分なコミュニケーションをとれたこともあってファーストプランから気に入っていただけました。完成後は「思っていたとおりのリフォームができ、感謝しています」というお言葉をいただき、私も大変嬉しく思っています。
流派によって仕様が異なるお茶室づくり、茶室をつくるのは初めてという奥様と茶の湯空間について一緒に勉強しながら作り上げることができた今回のリフォームは、私たちにとってとても思い出深いものとなりました。